2013年3月30日土曜日

ペナン島にユニクロ上陸、高い中流層の消費力と郊外の拡大







リゾート島としてのイメージも強いペナン島(Penang)ですが、華人(中華)系の比率が高く、世界的なメーカーの工場が多数あり、首都圏に次ぐ国内第2位の経済圏の中心でもある場所なのです。

今月8日、ペナン島初となるユニクロ(UNIQLOが、島南東部にある島内最大のクィーンズ・ベイ・モール(Queensbay Mallに開店しました。マレーシアのユニクロとしては、首都圏以外では初となる9店舗目です。また、ユニクロのマレーシア進出は、20107月のこと。東南アジアでは、094月にシンガポール店が開店して以来、2番目の進出国となりました。

ユニクロ・ペナン店の開店時には、行列が出来るほどの盛況となりました。円換算すれば、日本と余り変わらない価格設定でしたが、お客さんは次々と商品を買い物籠に納め、レジへと向っていました。いかに日本のデフレが深刻であるかがわかるものと思います。

2010年前後、100円ショップの代表企業ダイソー、和民(ワタミ)や有名ラーメン・チェーンといった日本で元気な企業がマレーシアに進出してきています。85年のプラザ合意以降、この地域への日本企業進出の中心は、円高による輸出競争力低下を背景により安い人件費を求めた製造業でした。それが90年代の高度成長と00年代の安定成長の時代を経て、この地域は日本製品とサービスの市場として新たな日本企業の進出を促している理由となっています。

20年余りの間にマレーシア人は、100円ショップでわれわれ日本人と同じ感覚で買い物を楽しみ、質とファッション性の高さでユニクロの服を着て、気軽に日本食を楽しむようになりました。

さて、ユニクロの開店したクィーンズ・ベイ・モールは、ジャスコ(イオン)が大規模テナントとして入り、500もの店舗が入る島内最大のショッピング・モールです。ペナン島と半島部バターワース(Butterworth)をつなぐペナン大橋から5分程度の位置にあります。

このモールが開業したのは、06年のこと。それ以降、中心街ジョージタウン(George Town)と空港や工業地区となっているバヤン・ラパス(Bayan Lapas)をつなぐペナン島の南東部の開発が進み、グルゴー(Gelugor)地区などでもコンドミニアムが立ち並ぶようになりました。

モール開業が、ペナン島の中流層が住む郊外を拡大させ、そこに新たな消費者を見つけた日本の小売産業の進出してくる。
 クアラルンプール首都圏と同じ縮図がペナン島にも到来しています。

 
(ペナン支店)

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